2017/04/21
歯周病と技工物について
歯周病と技工物について
歯科における虫歯と並ぶ2大疾患が「歯周病」です。日本人の歯を失う原因の多くが歯周病であり、国民の口腔内の健康を守る歯科医療人の一員として歯科技工を行うには、歯周病の知識が不可欠となります。
歯周病治療においては歯周病が進行した歯を治療するだけでなく、歯の型取りを行って適合度の高い歯科補綴物を製作しなければなりません。
歯科技工の時点で完成補綴物であっても、患者様の口腔内には初めて入るものです。装着後は時間経過とともに歯肉が変化し、補綴物の表面や素材自体が様々な変化にさらされることを考慮しなければなりません。
強度や精度が不十分な補綴物が装着された口腔内は治療予後を不安定にし、再発・悪化の原因にもなるため注意が必要です。
歯周病は、歯にプラーク(汚れ)が付着し歯周ポケット内部などに細菌が侵入することで起こる疾患です。そのため汚れが付きにくい補綴物であれば、歯周病を誘発するリスクもより低くなると考えられます。
ジルコニアであれば銀歯やプラスチックと比べて汚れが付きにくく、虫歯治療や歯周病予防にも一定の効果を発揮します。
また、ジルコニアは強度が高いため歯を削る量が最小限で済み、スペースが不十分な場合でも適用可能です。歯周病治療による機能の回復に加えて歯並びや見た目の美しさを維持するには、ジルコニアフレームやインレーなどより良い品質の補綴物を選択するのが望ましいでしょう。