アレルギー性鼻炎とは?
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー反応によって起こる鼻の粘膜の炎症です。発作的に起こるくしゃみ、さらさらした水のような鼻水、鼻づまりが繰り返し起こるのが特徴です。
アレルギー性鼻炎に悩まされている人は年々増加し、日本人の5人に1人はかかっているといわれています。
増加の原因は、気密性の高い居住環境によるハウスダストの増加や花粉飛散量の増加、大気汚染、ストレス、食生活の変化などがあげられます。
口で呼吸していませんか?
近年では、小児期のアレルギー性鼻炎の発症が目立ってきています。
慢性的なアレルギー性鼻炎の子供は鼻での呼吸が難しくなり、口呼吸が主になります。この口呼吸がさまざまな歯科疾患を起こすのです。
本来「鼻」は素晴らしい性能を持った空気清浄器です。空気中に漂う微小物質を鼻の粘膜、繊毛がとらえて鼻汁とともに胃に流し体外に排出します。
口で呼吸すると、空気中に漂う花粉などの微小物質が直接肺に吸い込まれて血管から体内に入ります。
口呼吸と歯科の関係
私たち現代人は祖先に比べて硬いものをよく噛んで食べる食生活を送っていないため、顎がだんだんと小さくなってきています。そしてそれが歯並びにも影響しています。
さらに最近わかってきたこととして、上顎が小さいだけではなくこれと繋がっている鼻腔も狭くなっています。
そのため、鼻呼吸できずに口呼吸になってしまったいるお子さんが多くいらっしゃいます。
歯並びを直すときに急速拡大装置を上顎に装着し鼻腔を広げて空気の通り道を作ってあげると、口呼吸だったお子さんも鼻呼吸ができるようになり、空気中のアレルギーを起こす微小物質を体内に取り込まないで済むようになります。
その結果、アレルギーに改善がみられることが報告されています。
治療の効果が高い人とは?
・歯並びを直したい方
・歯並びには問題がないが、重篤なアレルギーに悩んでいる方
・鼻呼吸ができず、口呼吸になってしまっている方
何歳から治療が可能か。
10代の方を中心に、20歳ぐらいまでは上顎は左右独立しています。そのため、特殊な装置により左右の上顎の間を拡大することが可能です。これにより鼻腔も広くなり、空気の通り道ができます。
どのような変化が見られるか。
歯並びが綺麗になるのとともに、矯正前は幅が狭く深かった上顎が矯正後は浅く広くなり、鼻腔も左右上下に大きくなります。鼻腔の容積が格段に大きくなるため鼻呼吸ができるようになり、アレルギー症状の軽減につながります。