新型コロナウイルス感染予防のため、マスクをつける機会が増えました。
マスクをしていると口臭が気になることがありませんか?
今回は口臭についてお伝えいたします。
口臭の原因
口の中に原因がある口臭は、口の中の食べカスやはがれた粘膜細胞などに含まれるたんぱく質を、プラーク(歯垢)や
舌苔(舌の汚れ)、唾液中の細菌が分解し揮発性硫黄化合物を作ることで起こります。
揮発性硫黄化合物は主に次の3種類のガスからなります。
◆ 硫化水素(卵が腐ったような臭い)
◆ メチルメルカプタン(たまねぎが腐ったような臭い)
◆ ジメチルサルファイド(キャベツが腐ったような臭い)
全身由来の口臭としては糖尿病のアセトン臭、トリメチルアミン尿症のアミン臭などがあります。
口臭の原因の80%以上が口腔内にあるとされています。
口臭と唾液
口臭を防ぐ大きな役割をしているのは唾液です。
通常は、唾液の自浄作用によって抑えられている口臭ですが、起床直後、空腹時、緊張時は唾液の分泌が減少し、
細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物が増えてしまいます。これが生理的口臭の原因です。
口臭の種類
生理的口臭
起床直後、空腹時、緊張時は唾液の分泌が減少するため細菌が増殖しやすく、口臭が発生します。
生理的口臭は健康な人でもありますが、歯磨きや食事をすることにより減少します。
いちばんニオイが強くなりやすいのは、起床時の口臭です。
みなさんも起床時の口の中はネバネバして、不快に感じることがありませんか?
それは、寝ている間に唾液の分泌量が少なくなり、口の中の細菌が増殖し、口臭の原因となる物質がたくさんつくられるからです。この起床時の口臭を「モーニングブレス」といいます。
朝食や歯磨きで、ニオイ成分の値は急激に低くなります。
なぜなら、食べ物を噛むことで唾液の量が増え、唾液の抗菌・自浄・保護の作用により細菌が減少するためです。
しかし、食事による細菌の減少は一時的な作用なので、効果的に口臭予防を行うには歯磨きをしましょう。
昼食前になると再び口臭は強くなりますが、昼食と歯磨きでまた減少します。このお昼前や空腹時に強くなる口臭を
「ハンガーブレス」といいます。そして夕食前にも口臭が強くなります。
1日の中で口臭は強くなったり弱くなったり、食事と歯磨きを境に変化します。
外因的口臭
ニンニク、玉ねぎなどの臭いの強い食品、酒、タバコ等による口臭で、多くは時間の経過とともに弱まります。
病的口臭
1. 口腔由来
プラーク(歯垢)や舌苔(舌の汚れ)、歯周病、進行した虫歯など、口腔内の原因で起こる口臭です。
2. 全身由来
鼻などの呼吸器系の病気、消化器系や糖尿病などの病気が原因で口臭が起こる場合があります。
心因性口臭
口臭検査でも口臭が認められないのに本人は口臭があると思い込んでいる状態です。ストレスや精神的に不安定な場合に多く見られます。口臭はありませんというカウンセリングで納得しない場合は、精神科への相談が必要になります。
口臭予防
プラークを除去し口の中を清潔に保ちましょう。
歯ブラシだけでなく、歯と歯の間のプラークも落とせるようにフロスなどを使用しましょう。さらに、口臭予防を強化したい場合は、殺菌効果のあるマウスウォッシュを使用するのもお勧めです。また、義歯汚れが原因で口臭につながっている場合には、義歯を清潔に保つように心がけることが大切です。口臭と同時に、お口の乾燥(ドライマウス)が気になる方は、口の中をうるおすことで、口臭が改善する場合もあります。
舌の上にたまる舌苔は細菌などのかたまりで口臭の主な発生源になります。
舌苔が付着している場合は、1日に1回程度、舌清掃も行うようにしましょう。
<舌清掃の実施方法>
① 1日1回起床時に行う
② 鏡で舌苔が付着しているところを確認する
③ 舌苔が付着している部分に舌ブラシを当てる
④ 奥から手前に向かって、軽い力で3回くらい動かして清掃する。
※舌は柔らかい組織です。舌の表面を傷つけないよう舌ブラシで軽い力で清掃しましょう
歯科医院で定期健診を受け、歯周病やむし歯になっていないか確認しましょう。
また、セルフケアでは除去できない歯石や、強固に付着したプラークなどは、歯科医院でプロによるクリーニングで落としましょう。
ストレスや緊張をためないよう心がけ、規則正しい生活をしましょう。
予防策としてあげられるのは、唾液を多く出すことです。
緊張やストレスを受けると唾液が減ってしまいます。
逆にリラックスすると唾液が出やすくなります。また、食事をよく噛むことで唾液が多く分泌されます。