2017/07/19
虫歯と唾液
唾液のはたらき
唾液には様々な作用がありますが、虫歯に関係する作用としては以下のものがあげられます。
①再石灰化に関する働き
唾液中にはカルシウムやリンなどのミネラルが過飽和の状態で含まれています。
酸によって溶け出した歯の表面はそれらのミネラルを取り込んで元に戻ります。
②希釈作用
唾液の流れで食べかすやプラークを洗い流します。
③抗菌作用
④緩衝作用
酸性に傾いた口腔内を中和して中性に戻します。
⑤保護作用
歯の表面や粘膜を保護します。
唾液の分泌
唾液の分泌は刺激、時間帯、食事、年齢、性別、全身疾患や服薬、ストレスなど様々な影響を受けます。緊張したときに口がカラカラに乾いた経験やアレルギーの薬を飲んで口の中に違和感を感じた経験はありませんか。
唾液の分泌は口の中の環境だけでなく精神状態や全身の健康状態も関係しています。
唾液には安静時に分泌する安静時唾液と刺激に誘発されて分泌する刺激唾液の2種類がありますが、分泌のスピードによって緩衝作用の高さが変わります。
唾液の緩衝作用が高いのは分泌速度の速い刺激唾液です。唾液検査ではその刺激唾液を使って虫歯のリスクを判定します。
唾液と虫歯予防
唾液の量や質を改善することは虫歯予防につながります。また唾液の分泌を阻害する要因や唾液の分泌が減少する時間帯を知識として頭に入れておくことも大切だと思います。
例えば刺激唾液の分泌が減少する就寝前の飲食は控えたほうが有利ですし、虫歯の治療をしてよく噛めるようになると唾液量は増加します。
食事はできるだけゆっくりよく噛んで摂ったほうが唾液分泌を促進することができます。虫歯の原因は歯磨きができていないせいではないのです。
唾液を調べることで虫歯の原因を分析して有効な予防策を立てることができます。(詳しくは唾液検査のページをご覧ください。)