歯の組織
歯は大きく分けて以下のような組織で成り立っています。
・エナメル質歯冠部をすっぽり覆って保護する層。体のどの部分よりも硬い。
・象牙質歯の本体となる部分。
・歯髄血管や神経が密集している。歯が痛むのは、ここに達している。
・セメント質歯根の表面を取り囲む薄い層。
・歯肉歯茎とも呼ばれ、磨き残しが溜まると腫れます。
・歯肉溝エナメル質と歯肉の境目です。健康な歯肉の場合歯肉溝は2ミリ以内です。
・歯根膜セメント質と歯槽骨をしっかりと結び付け、クッションの役割。
・歯槽骨ここに歯が植わっている。
虫歯の進行深さによる分類
ここでは虫歯が歯の組織のどこまで進行しているかについての分類をご説明いたします。
CO要観察歯、カリエスオブザベーション
COは、虫歯菌の出す酸の影響で、歯の表面のエナメル質が脱灰して白くなっている状態です。
まだ歯に穴は開いておらず、虫歯になりかけている段階なので、痛みなどの症状はありません。とは言っても、虫歯ではありませんが初期症状が現れ始めているので、放置しておくと虫歯になる可能性があります。
特に乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯が弱く虫歯の進行が早いので注意が必要です。 この状態であれば適切な歯磨きを続けることで歯の再石灰化作用によって、自然に元の健康な歯に修復されていきます。
削ったり詰め物をしたりという直接の治療は必要ありません。水天宮前歯科医院で適切な歯磨きを習い、早め早めの定期検診を心がけて、虫歯の状態を確認しましょう。
C1 エナメル質に限局した虫歯
C1は、歯の表面のエナメル質が脱灰して溶けはじめ、小さな穴が開いてしまった状態です。
COの段階は歯が白くなりますが、C1に進行すると穴が開いた部分は茶色又は黒色に変色します。表面の部分だけの小さな虫歯なので、冷たいものが歯にしみる場合はあります。
C2虫歯が象牙質まで達しているが歯髄には達していない状態
C2は、虫歯がエナメル質の奥にある象牙質まで進行してしまった状態です。
象牙質はエナメル質と比べて軟かく溶けやすいため、この段階まで進行した虫歯は一気に進行が早くなって広がるので、表面はごく小さな穴しか開いていないのに、歯の中は一面虫歯だらけということも珍しくありません。
歯髄に近い所まで虫歯が進行してしまっているので、冷たいものだけでなく熱いものの刺激でもしみる症状が出ます。
C3歯髄にまで虫歯が到達している状態
C3は、虫歯が象牙質のさらに奥にある歯髄まで進行してしまった状態です。この段階まで進行すると歯髄が炎症を起こして、何もしなくても常にズキズキと激しい痛みが続きます。
この段階になってから急患で歯科医院を受診すると、神経が興奮しているため麻酔が効きにくく、治療にも痛みを伴う可能性が高くなります。
C4歯質が失われた状態
C4は、虫歯が進行して歯冠部をほとんど溶かしてしまい、歯質がほんの少ししか残っていない状態です。
C3の時点では歯髄が炎症を起こして激しい自発痛を伴いますが、そのまま放置してしまうと歯髄が完全に死んでしまうため痛みを感じなくなります。
しかし、あくまでも痛みを感じないだけで、治ったわけではありませんので、歯の状態はどんどん悪化していきます。
象牙質の虫歯について
最後に象牙質の虫歯について詳しくご説明いたします。象牙質の虫歯は6つの層に分類できます。
・多菌層病巣の最表層で象牙質の基質が崩壊して多数の細菌が充満しています。
・寡菌層象牙質の脱灰と少数の細菌が侵入しています。
・先駆菌層象牙質の基質変化はほとんどないが、わずかな細菌が認められます。
・混濁層研磨標本でわずかに混濁して観察されるが、細菌の侵入はありません。
・透明層正常な象牙質より透明に観察され、石灰化度が高い層です。
・生活反応層透明層と正常象牙質の中間に位置する層です。
多菌層から先駆菌層までを齲蝕虫歯象牙質第一層外層、混濁層から生活反応層を齲蝕象牙質第二層内層と呼びます。
内層は細菌感染しておらずpHの低下が回復するとリン酸カルシウム塩の沈着を生じ再石灰化現象がおこるためむやみに削ったりはしません。
では外層と内層をどのように見分けるかというと細菌感染している層のみを赤色または青色が染まる齲蝕検知液があります。
水天宮前歯科医院では細菌感染している層のみ除去し再石灰化が起きる内層は残すという低侵襲な治療を提供しております。
虫歯の進行についていかがでしたか虫歯治療の流れや虫歯になる原因など詳しくご紹介しています。ぜひご覧になってください。