唾液の役割
その1 口の中の酸を中和します
食べ物が口の中に入ると、細菌が砂糖や炭水化物を分解して作り出す酸によって、口の中が酸性に傾きます。酸性の状態が長く続くと、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出し虫歯が始まります(脱灰といいます)。ところが唾液にはその酸を中和し中性に戻す作用(唾液の緩衝能)があります。唾液がどんどん分泌されることによって、酸性に傾いた口の中のpHは中和され、元の中性に戻ります。
その2 殺菌・抗菌作用があります
唾液は、口の中を流れ続けて食べ物の残りカスを洗い流し、口の中をいつも清潔に保つ働きをしています。また、口の中の細菌を除去し、唾液中に含まれている免疫物質によって粘膜などの細菌感染を防いでいます。
その3 歯にカルシウムを補給します
唾液の中には、歯の成分であるカルシウムやリンが含まれています。食後しばらくすると、唾液のもつ酸を中和する働きによってお口の中のpHが中性に戻ります。そして、唾液中のカルシウムやリンが歯の表面に付着して、溶け出したエナメル質を補ってくれるのです。これを唾液の『再石灰化』作用といいます。
予防歯科/唾液の力
カリエスリスクテストについて
カリエスリスクテスト(唾液検査)のご紹介
唾液は、様々な働きによって虫歯や歯周病から歯の健康を守っています。唾液を検査することで、いろいろなことがわかります。
お子様の検査項目
- ミュータンス菌の数
- ラクトバチラス菌の数
- 唾液の緩衝能
- 唾液の質と量
- 飲食の回数
- プラークの蓄積量
- フッ素の使用状況
- 虫歯の経験(虫歯の治療本数)
成人の検査項目
- ミュータンス菌の数
- ラクトバチラスの数
- 唾液の緩衝能
- 飲食の回数
- プラークの蓄積量
- 唾液の量と質
- 喫煙本数
- 危険因子の数
- 歯周病進行度
- 歯周病菌のチェック
予防歯科/ミュータンス菌・ラクトバチラス菌・緩衝能判定
カリエスリスクテストを受けるときのご注意
- 検査を受ける前1時間は、飲食や喫煙、歯磨きは避けてください。
- アルコールを含んだ洗口液でのうがいは、検査12時間前より控えてください。
- 運動すると唾液の分泌量が減りますので検査前の運動は避けてください。
- 他の疾患のためにお薬を飲んでいる方は、スタッフにお申し出ください。
カリエスリスク判定
「カリエスリスク」診断をお勧めします
虫歯の発症と進行についての研究が進み、虫歯にかかる危険度(カリエスリスク)には個人差があることがわかりました。リスクを判定することで、一人一人に適した虫歯予防の対策を立てることができるのです。
レーダーチャートで一目瞭然
この図は、カリエスリスクの「レーダーチャート」です。
虫歯になる条件や虫歯を防ぐ抵抗力などを、唾液検査によって調べます。また、食事回数や食習慣、予防のためのフッ素利用などは簡単なアンケートでチェックします。虫歯になりやすいか否かの判定は、これらのアンケートと唾液検査の結果を総合して行います。
虫歯になる条件や虫歯を防ぐ抵抗力などを、唾液検査によって調べます。また、食事回数や食習慣、予防のためのフッ素利用などは簡単なアンケートでチェックします。虫歯になりやすいか否かの判定は、これらのアンケートと唾液検査の結果を総合して行います。
予防歯科/カリエスレーダーチャート