「あなたは普段の歯磨きで、磨き残しなく磨けていますか?」
この質問に対して「磨けてるつもりだけど、自信はないな。」と答える方がほとんどだと思います。
それもそのはずです。歯磨きの目的は歯の表面についたプラーク(細菌の塊)を落とすことですが、このプラークは歯と同じ白色をしているので、プロでも慣れていないとパッと見で磨き残しを見つけるのが難しいんです。
つまり、ほとんどの方は毎日の歯磨きを汚れがどこに付いているのか分からないままなんとなくやっている方ばかりなのです。
毎日やっているはずなのに歯磨きが難しいのは、
“取り除くべきプラークと歯の見分けがつきづらい”
ことが最大の要因ということになります。
ではどうすれば歯とプラークの見分けを付けることができるのでしょうか。そこで今回は、歯磨きで取り除きたいプラークを染め出す(歯垢染色剤)をご紹介したいと思います。これを使用することで、「普段の歯磨きでどこが磨けていないか?」が一目瞭然になります。
自分の歯を一生使っていくために、ぜひとも上手く活用してもらいたいグッズの一つです。正しい使い方を理解することで誰でも効果的な歯磨きが可能になります。
歯垢染色液とは、一般的には赤色の液体で、歯の表面についたプラーク(細菌の塊)を染めるものです。
小さい頃に歯医者や学校検診などで使われているのが歯垢染色剤です。
子供しか使わないイメージを持たれる方もいますが、大人でも歯磨きを練習する過程でよく使われます。磨き残し(歯に残ったプラーク)を染めることで、普段歯ブラシを上手く当てられていない箇所をチェックし、”どう磨けば効率よくプラークを取り除けるか”を知るために使用します。
<使用方法>
「いきなり歯垢染色剤を使わない」のがポイントです。「最初に染めてから磨いた方が効率がいいんじゃないか?」と思われる方もいるのですが、歯垢染色剤は自分の歯磨きの癖を見つけるために使用します。
普段、磨いたつもりになっている箇所がどれくらいあるのかを知るために使います。
それに全体を予め染めた後で磨き始めると、唾液で少しずつ色が落ちていってしまいます。”磨いていない箇所も歯磨きの終盤には染まっていない”という事態になることが多いので、磨き残しを増やしてしまうことに繋がります。
①いつも通り歯を磨く
いつものように歯を磨いてください。目的は自分の磨き方の癖を知ることです。歯磨き粉やデンタルフロス、歯間ブラシなどいつもの磨き方と時間で磨いてください。
②歯垢染色液を使用する
歯垢染色剤で歯を染め出してください。綿棒などの先に付け、歯をなぞるように染めてください。
洋服につくと落ちにくいのでつかないようにしてください。染め終わったら軽く口を1回ゆすいで、口の中を確認します。
その時に洗面台の周りに赤い液が飛び散るので勢いよく吐き出さないよう注意しましょう。
③染め出された歯垢を歯ブラシの角度を確認しながら落とす
鏡で確認しながら染め出されているところを歯ブラシなどで落としていきます。恐らく自分で思っていた以上に赤く染まると思います。
赤くなったところはあなたが磨き残しをしやすい部分です。
歯ブラシの毛先が当たっているか、デンタルフロスで染め出されている部分が落ちているかをしっかりと鏡を見て確認しながら落としていきます。
④もう一度染め出してみる
染め出された部分を落としたら、口をゆすいで、もう一度歯垢染色剤で染めだしてみます。
特に奥歯や歯と歯の間、歯並びが悪いところは歯垢が残りやすい部分です。染め出された部分を確認し、落としたら歯磨き粉を使ってうっすらと残った部分を落としてください。
再度染め出しを行って染まった箇所は、普段からかなりプラーク(細菌の塊)が残りやすいということなので、しっかり覚えておきましょう。
「どこのプラークが落としづらいのか」を覚えておくことで、歯磨きの際に時間をかけるべきポイントが見えてくるはずです。
単純に”歯を染めてから、色のついた箇所を磨いて終わり”では、染色剤を使う意味はあまりありません。一生歯磨きをする時に染色剤を使わなくてはいけなくなってしまうからです。
「染め出しを行わなくてもプラークが残りやすいところが分かっていて、上手く歯ブラシを当てられる状態」が目指すべきゴールです。ここまで意識して歯磨きを練習していけば、あなたの歯は一生残ります。
是非、染色剤を上手く使って歯磨きの質を高めていきましょう。